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九谷焼 三代 仲田錦玉
(青粒盛金 画風)

三代 仲田錦玉

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三代 仲田錦玉

ナカダキンギョク Ⅲ

NAKATA KINGYOKU the third

石川県 九谷焼 青粒盛金 画風

神業の伝導、ここに極まる。

祖父である初代錦玉が家業として始めて、その元で二代錦玉が絵付けを学んでいた。何気なく見ていたから、漠然と大人になったらこの仕事をするんやろうなと思っていたと三代仲田錦玉氏は穏やかに語ってくれました。

世界の九谷焼

九谷焼は石川県加賀市を発祥とする、日本を代表する陶磁器であり、最大の魅力は絵柄だ。
多種多様な上絵付けがあり、「上絵付けを語らずして九谷はない」と言われるほど。
明治期にはジャパンクタニとして世界的に評価された。

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無数に連なる「青粒」と九谷錦玉

二代から三代へ


「青粒(あおつぶ)」は、大正時代に九谷焼に使用されるようになったが、技術と根気がいる技法のため当時はお花や着物の中の絵柄のほんの一部にアクセントとして使われていたという。そんな青粒をメインの画風にし、全体に使用することを確立したのが、父であり師匠の二代錦玉氏。

そんな二代錦玉氏に「家業をするなら、そろそろ始めたほうがいいぞ」と言われたのは30歳の時。
錦玉氏は大学卒業後、全く別の勤めに出ていましたが「青粒を継いでいくのが社会的責任」と思い二代へ弟子入りをします。
長時間に渡る、座りの態勢や筆を握ることに慣れるために、意外にもまず体づくりから始めたといいます。
その後、7年の修行を経て三代を襲名します。

超絶技巧“青粒”


現地では「あおつぶ」がなまり「あおちぶ」と呼ばれている、九谷焼の代表的な画風の一つ。
イッチンという用具を使い、青絵具を落とし一点ずつ打つ技法。
イッチンとは、先端に穴の空いたペンのような道具で、調合して入れた絵具が先端から出てくる構造。自分のタイミングで絞り出すのではなく、イッチンの先端を下に向けると絵具は出続ける。つまり一つ分の粒を打ったら、イッチンの角度を上げて絵具を止めて、それをまた延々と繰り返すという超絶技法。
材料の品質上、一気に打ってしまわないといけないため、手を固定するイメージで一定のリズムで作業していく。

二代の画風と技術を継承した三代仲田錦玉氏の青粒は無秩序に打っているわけではない。正確な等間隔で、かつ渦模様を描く。極小の粒も集合体も同じ大きさ。「下絵などのあたりはつけない。渦の中心をココと決めたら、あとは一気に粒を打つ」というから驚きです。
まさに神業。
その規則性があまりに均一すぎて、渦が動いて見えたり立体的に見えたり、錯覚を起こさせるほど美しい完成度です。

こだわりの「下地」と、立体的に金を施す「盛金」


下地は、艶消しの黒。二代がこだわって作り上げた洋絵具だ。
この絵具の扱いは非常に難しく、下塗りが少しでも均等でないとムラが出る。
「下地に気を抜くとせっかくの青粒や盛金が映えない」といいます。

盛金(もりきん)は、模様部分をベンガラ(古代から使われる赤い顔料)で厚めに盛り、その上に金を塗る金盛り技法。
このベンガラの扱いも難しく、扱いを間違えば施す線に狂いが出たり、表面に凹凸が出るという。さらに滑りが悪いことから金の扱いも相当難しく、錦玉氏をもってしても「盛金は特に難しい。金で滑らかに描くには高い技術を要する」と言わしめる。
なお金は金沢の24金を使用。自ら擦り、金絵具を作っている。

技の継承


九谷焼の担い手は多い。それは元々九谷焼自体が自由な芸術であることも影響しているそう。しかし「後継者は別」だと錦玉氏は言う。
絵付けや装飾は華やかでもその工程は寡黙。それをみて育つ子供はどこも真面目に育ちやすく、芸術家にならないケースも多々あると言います。
三代自身も30歳の時に父に弟子入りした際を振り返りつつ、今後は育成にも力を入れ、伝統と技術を残していかなればいけないと語った。

その継承のためにも自身の更なる高みを目指し、金盛り技法を発展させた白金盛り(金をプラチナに変えたもの)や、粒の色を変えたり、敢えてこだわりの下地を見せながら余白への粒打ちをする感性など、継承する画風の幅を広げています。

そして最後に、我々谷マチに対して「社会のために尽くす活動、是非頑張ってください。私も協力します」とお褒めの言葉をかけて下さいました。

  • 二代こだわりの洋絵具で下地を塗る

    二代こだわりの洋絵具で下地を塗る

  • ベンガラで模様を描く

    ベンガラで模様を描く

  • その上から金絵具で盛り上げる

    その上から金絵具で盛り上げる

  • ここから真骨頂「青粒」の工程

    ここから真骨頂「青粒」の工程

  • イッチンで一粒一粒打っていく

    イッチンで一粒一粒打っていく

  • 完成した金盛青粒の超絶技巧

    完成した金盛青粒の超絶技巧

  • 新たな三代の挑戦、白金盛

    新たな三代の挑戦、白金盛

  • 作品:一輪挿し

    作品:一輪挿し

  • 作品:バンクシーコラボのワイングラス

    作品:バンクシーコラボのワイングラス

陶歴

昭和21年 初代錦玉が石川県小松市にて開窯
      皇太子殿下、妃殿下 両殿下使用の茶器を制作
昭和58年 天皇陛下ご使用の蓋付茶器「黄地金唐草」制作
昭和60年 二代錦玉襲名
平成06年 伝統工芸士認定
平成09年 国際色絵陶磁器展入選 日本伝統工芸展入選
平成25年 三代錦玉襲名
平成28年 九谷焼伝統工芸士認定
令和02年 全国伝統的工芸品公募展入選
令和03年 伝統九谷焼工芸展にて技術賞受賞
令和05年 全国伝統的工芸展「白金盛白粒合子(薫風)」入選 
数々の受賞歴より抜粋

谷マチからメッセージ

青粒の最高技術保持者。その作品を見れば「まさに国の宝」と言うべき手技です。筆者は二代と三代の作品をまじまじと見たことがあります。三代のほうがやや金が鮮やかですが、青粒についてはクローン技術のように違いがわかりません。技の継承の凄ささえも肌で感じました。この技術を支えられることは喜び以外ないと思います。

三代 仲田錦玉
石川県 九谷焼 青粒盛金 画風

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