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漆器 YOSHIHIKO FUJII
(黒江塗)

YOSHIHIKO FUJII

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YOSHIHIKO FUJII

和歌山県 漆器 黒江塗

伝統の漆×テクノロジー 世界芸術の最前線を知る男

日本三大漆器に数えられる産地、紀州・黒江。塗り元の4代目にして、次世代の伝統産業の形の一つをすでに作り上げているという意味では初代なのかもしれない。その身一つで産業の発展を阻むものや既成概念と戦う傍ら、すでに海外では地盤を作ってしまっている。
この男、ただものではない。

ふじい氏の感性と漆器

漆の深みと艶やかなガラス。
これを融合し製品化を果たしたのが藤井嘉彦氏だ。
「伝統工芸をそのままの形で後世に残そうとするだけでは、その文化は生き残れない。伝統を大切にするなら、一度頭で破壊し、時代に応じて変化させなければいけない」この感性を深掘りします。

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異色の経歴

混沌とした原点と国際経験
18歳から家業に入って、ものづくりではなく輸出業務からスタート。当時の日本は1$=160円で世界の製造国。10年間ほど、年の半分はヨーロッパの展示会に出して回り、半分は日本で塗りを学びます。しかしその後の円高で労働力は中国に変わり、日本のものづくりは大打撃。先代が収拾や立て直しをするため休業となり、藤井氏は失職。恥さらしと言われたが、ハローワークに行き、家具作りを経験します。
月給13万円から始め、どんな環境でも一番になろうと家具の塗りやデザインも行い、一年半後には45万円の給料へ。
借金をし、工場を作り、漆の鏡面塗装家具で独立。関西で一番になるまでに仕立てるも、作りたいものと求められるもののギャップに苦しみ、原点である漆器へシフトします。

芸術家の誕生の影に徹底した合理主義
漆器に戻っても、慣習や既成概念が蔓延る。ネットが発達し作り手が販売できる時代と思いきや、どこの産地もやはり作り手に売らせない圧力がある。まともにモノを作っている人たちが潰れていくのは我慢できない、その人たちのためにも自分が風穴を開けたい。藤井氏はどこにも属さず、何を言われても鉄の心で良いモノを追求して行きます。
そうしたものづくりは評価され、海外万博へ出す日本の工芸に選出されたり、政府系の工芸を選定するメンバーに招集される。ただやはりそこでも、芸術、良いモノという観点で方針が合わなければ、辞退。
自分に日本の枠組みは合わないのか ー
自問自答の上、もう一度海外へ目を向けます。

「漆器は傷がつく」というのが常識。特に海外は箸ではなく、フォークやナイフを使用します。
傷つきやすいという弱点をどうにかできないか ー
遊びでガラスに漆を塗っていた時に“これだ!”と、今でこそガラスと漆を組み合わせている職人はたくさんいるが恐らく製品化できたのは自分が初めてではないかと語る。
漆器は表面加工が弱点。見る分にはいいが、使う分には弱い。そこでガラスの裏目から漆を塗る方法でクリアしてみせた。その上、大胆にレーザーを導入し蒔絵や沈金という日本の技術にテクノロジーも加える。

現在世界を席巻しているガラスはトルコ製。VIPデザイン会社とトルコガラスが組んで販売をする世界トップの4つの会社がある。その各社が出展するアンビアンテ(世界最大の見本市)へどんなものか視察をし「食洗機対応はしてるのか?」と聞いてまわる。どこもしていないのを確認し「うちだけやな」と吐き捨てて帰ってくる。
トルコもフランスもユダヤ人も藤井氏を認め、求めている。

しかし藤井氏は、「芸術は売れなくてもいい、認められなくてもいい。自分に貫いて無条件に自他に迫っていくことが芸術。(一部省略)」という岡本太郎の言葉を教えてくれた。
欧州の芸術家はそれを知っているし、自分もそうなりたいと語る。

資金の使途

海外最大の見本市はフリーパス、関税のことや大使館の手続きも手慣れている。そんな自分にできることは、
「海外で試したい、マーケットに出したい」そういう日本の原石たちを海外でお披露目するお手伝いをすること。一見さんが買えないブースを藤井氏が買って若手をプロモーションしてもいい。そうしたまとめ役になれたらー

谷マチからメッセージ

藤井氏はこれまでも同じ和歌山の地産品や伝統工芸品のコラボやタイアップ、他の作り手の商品のブランディングを手掛けている。しかしそれはボランティア。たくさんの賞やグランプリをもたらせて身を引き、一銭ももらっていません。
「人の喜ぶことが自分の幸せ」という部分を共有できたこと非常に印象的な取材でした。

YOSHIHIKO FUJII
和歌山県 漆器 黒江塗

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