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本疋田 絞括師 髙橋 庸子
(京鹿の子絞り)

絞括師 髙橋 庸子

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絞括師 髙橋 庸子

コウカツシ タカハシヨウコ

TAKAHASHI YOUKO

京都府 本疋田 京鹿の子絞り

便利な時代、一年間待つ大人の愉しみを届ける。

最高級の染め着物「絞り(しぼり)」
その中でも格別なのが、京鹿の子(きょうかのこ)絞り、そして「本疋田(ほんびった)絞り」
着物素人でも、一目で格の違いが分かる品質。これこそ宝。
しかしそれが絶滅危惧となっているという。その実態とワケを知っていただきます。

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五代の絆。五つの切り口で伝えます。

その作り手


髙橋庸子。京都の伝統的工芸品「京鹿の子絞り」の絞括(こうかつ)部門の伝統工芸士で、一子相伝の四代目です。初代が大正後期に創業。評価の高かった二代は早逝し、未だ現役の三代目川本和代がその技術を確固たるものへ。100年のバトンを受け取る五代目髙橋知聖も待ち構える。磐石に見える状況の何が絶滅危惧なのかー

その技法


京鹿の子絞りは、京都で作られている染織品。布を糸で括って染め上げる染色技法の1つで、括られた部分が染色されずに白く残ることで模様を表現します。染め上がった模様が子鹿の斑点を連想させるため、「鹿の子絞」と呼ばれるようになりました。
代表的な技法は「本疋田絞り」や「一目絞り」などで、全部で50種類以上にのぼります。かつては1人1種類の技法を有す絞括師(こうかつし)が1粒ずつ括り上げ、そののち染色を行います。京鹿の子絞の特徴は、精巧な括り粒です。気品漂う立体感は、他の技法ではみることがでず、製作期間は総絞り(着物全体に絞りを施した品)で1年半、振り袖では2年以上かかる代物です。
「何でもすぐに手に入る時代、是非、待つことを楽しんで欲しい」とその時間をハリにしていただきたいと四代目は語ります。

その難しさ


四代目:京鹿の子絞りは、高い技術はもちろん、根気のいる仕事です。括る数は振袖になれば18万粒ともなり、一つの作品を仕上げるのに長い日数がかかります。心も折れそうになりますし、気持ちを整えてやらないとできません。
1人が1つの絞りの技法というのは、みんなが等しく食べていけるようひとり一工程にしたという都ゆえの工夫やったんやと思います。でもその結果、一目絞りの作り手がいなくなった時に、その技法は絶滅しかけました。けどなんと、うちの三代目ができはったので今では私も習得し、復活したんです。

現在、京鹿の子絞りの正規の担い手は2名。つまりここにいる三代目と四代目のみだといいます。つまり五代目が組合員になっても3名、これが絶滅危惧の所以なのです。

その覚悟


絹の生地を絹糸で絞ったものを本疋田といいます。絹は軽くて柔らかい分、より高い技術が要る上、材料も高い。必然的に上代も高価になります。三代目はかつて帝国ホテルで実演をした際に本疋田を召した女性の親子と出会います。
三代目:このお着物覚えてますか?と聞かれました。実は絞括師は、染め上げた出来上がりはほとんど見たことがないのです。でも一度体調が悪いときに腰の柄で難しい箇所があって、気が済むまで時間をかけたことがあったのです。それを思い出し腰の柄を見ました。「娘さんが13歳のとき、のちの成人式用に作ったもの?」と聞き返すとすごく喜ばれたことがありました。
さらに三代目は「まともな粒を一粒括り、それの積み重ねが本疋田絞りやで」という教えを今でも大切にし、高価な絞りの着物を作る覚悟を、「最後の一粒まで責任を持つ」という言葉で教えてくれました。

五代目:私は小学六年に家業を志して以降、それに役立つ進路を組み立ててきました。中学で画塾に通い、高校は京都銅駝で染色を学び、大学は芸大に進み、家では絞りを体に叩き込みました。それもこの担い手不足を理解していたからですし、一生やっていく覚悟ゆえです。

その魅力


絞りの着物を着て座った場合、膝やお尻の箇所が膨れます。綿の場合は戻りにくいですが、絹の場合はまた元に戻ります。絞りの凹凸の形状記憶は、麻の特性上と一回蒸しているため一回縮んだら、伸びないのです。全国に色んな絞りと付いた着物がありますが、京鹿の子絞りが別格とされているのは、そうした品質機能が本物の人々に好まれてきたからだと思います。

  • 三代目の作業風景

    三代目の作業風景

  • 気の遠くなる絞りの仕事

    気の遠くなる絞りの仕事

  • 繊細な手技

    繊細な手技

  • 一枚の絹/左側のドットを一つ一つ絞ると右の様に

    一枚の絹/左側のドットを一つ一つ絞ると右の様に

  • 本疋田絞りに使用する絹糸

    本疋田絞りに使用する絹糸

  • 左:五代目 右:三代目

    左:五代目 右:三代目

  • 本疋田絞り:着物

    本疋田絞り:着物

  • 本疋田絞り:着物

    本疋田絞り:着物

  • 男性用のコーディネート

    男性用のコーディネート

  • 本疋田絞り:ストール

    本疋田絞り:ストール

  • 京鹿の子絞り:日傘

    京鹿の子絞り:日傘

  • 京鹿の子絞り:日傘

    京鹿の子絞り:日傘

その課題

四代目:安価志向に和装離れ。ずっと危機です。
何よりお客様の代も変わり、京鹿の子絞りの知名度が低下している。いくらいい物でも、知られてなければ買ってもらえません。もう少し手に取りやすいものや小紋、半幅の帯、小物など手が出しやすい価格帯のラインとTHE京鹿の子絞というラインに分けて商品を作っていきたいです。

谷マチからメッセージ

筆者としては本疋田の存在や魅力を伝えたいけど、伝えたくない。
それは、伝えないと滅んでしまうかも知れないし、伝えれば着る人が増えて被ってしまう。(持っていないのですが笑)男物の魅力もまた格別で、知れば魅了されます。本物の皆さまは買える人は買うはず、それだけすごいんです。

絞括師 髙橋 庸子
京都府 本疋田 京鹿の子絞り

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